ドラゴン #6440 1/35 BisonII
ドラゴンは既にII号戦車とsIG33歩兵砲を発売しているので、本車もいずれ発売になるだろうと予想していた方もいらっしゃったと思いますが、本作で前作から流用になったのは、サスペンションと誘導輪、上部転輪、マジックトラック、OVM程度で、転輪は新規、車体のパーツも殆ど新規という力の入ったキットです。ドラゴンのII号戦車はやや凝りすぎたパーツ構成で、車体の大きさの割に手間のかかるキットという印象をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、本作ではデザイナーが交替したのか、理にかなった部品分割で、パーツ数の多くなりがちなオープントップ車両をうまくまとめています。エッチング付き。

【実車について】
I号戦車にsIG33 15cm歩兵砲を車輪ごと搭載した自走砲(通り名はビゾン)はフランス戦に投入され、急造の車体の割に有用である事が証明されました。一方、直接射撃で構築陣地を破壊するにはその腰高なスタイルが弱点になったことから、一回り大きなII号戦車をベースにした新型車両が企画されました。通り名が「ビゾンII」として知られる本車はsIG33を車輪を外した砲架ごと搭載しており、突撃砲並みの低い姿勢が特徴です。車体は幅が広げられ、車体自体も転輪1個分延長されています。北アフリカに送られた12両で2個中隊が編成され、歩兵支援任務に活躍しました。

付属の金属砲身はライフリングも入った本格的なもので、別売りの砲身に交換する必要はまったく無いでしょう。機関室の上面には両サイドに大きなハッチが搭載されていますが、気温の高い北アフリカでは解放して使っている事が多いようです。マフラーもII号戦車より大きな物に交換されています。

ドラゴンは今回、転輪がII号より1個多い事もあって、転輪自体を新金型で起こしました。表面のRの感じが変更されており、前作の転輪より雰囲気が格段に良くなっています。タイヤのロゴモールドもより繊細なものに変更されました。

I号よりは大きいとは言え、小柄なII号戦車の車体にsIG33はぎりぎりだったようで、車内も殆ど余裕は無く、クルーは装備品や弾薬にびっしり囲まれている感じだったと思います。
天井を覆う枠は幌の骨で、箱絵のように取り外している事も多いようです。機関室の上に載っている台形の箱は弾薬庫で、見本では閉じてしまいましたが、内部も再現されていますので、開いた状態に組み立てる事も可能です。

15cm歩兵砲は名手H3氏の設計による物で、非常に精密に再現されていますが、パーツ数は「これ以上は減らせない」レベルまで考え抜かれています。その分、パーツ割りがパズルっぽくなっていますので、事前に仮組みをして自分なりに情報を整理して組み立てるとスムーズです。できあがりはご覧のとおり申し分ない出来で、戦闘室内の密度感が本車の大きな見せ場となっています。

戦闘室を覆う装甲板が箱組なので、不安を覚える方もいるかもしれませんが、事前に仮組みをしておけば、ご覧のようにきっちり組み上がります。(経験者には不要のアドバイスかもしれませんが)操縦席上面装甲(P31)とフェンダーの上面が揃うように調整する事、側面装甲板(P10,P43)と機関室装甲板P44の継ぎ目は実車には無いので、ここを綺麗に消すのがポイントになると思います。

母体となったII号戦車との比較。II号戦車はタミヤですが、どちらも実車の寸法を真面目に計測し、デフォルメを廃して設計されたキットですので、こういう比較に向いています。こうしてみると、足回りや機関に共通点はありますが、まったく別の車両といって良い事がおわかり頂けると思います。こういう比較が出来るのも模型ならではの楽しみでしょう。

III号戦車F型及びIII号突撃砲F/8型との比較。こうしてみると、車格的にはIII号とほぼ同じで、車高は突撃砲並みである事が解ります。後継車のグリレがもう一回り大きな38(t)系に移行したのも納得できます。

部品図 RDは図では1枚ですが、キットには2枚入っているはずです。またMP40(C12)のランナーも2枚入っているはずですので、組立前にご確認ください。
(部品が不足している場合のご連絡は、お買い上げになった販売店にお願いします)
1コマ目 誤)L2→正)L5、誤)L5→正)L2、誤)E2(E3)→正)E3(E3)
5コマ目 P38は16コマ目で取り付ける砲架部品A59に差し込まれるようになります。しかし完成するとまったく見えません。
15コマ目 誤)A64→正)A63
16コマ目 誤)A63→正)A64